ChunPom’s diary

数学、物理、機械学習に関する話題。あと院試、資格、大学入試まで。

アクチュアリー数学に合格しました

2018年度のアクチュアリー試験基礎科目の一つ、数学合格しました!問題分析だけでなく、限られた時間の中でこの試験に合格するための方法を自分なりにまとめようと思います。

 

① 問題分析

問題1

・例年通り基本的な小問集合。

基本的に例年通りのラインナップ。強いて言うなら、(1)の「必要十分条件」に関する出題は真新しいか。ただ、高校数学がしっかりできていれば難しくない。純粋な知識特化問題は「イェーツの補正」くらいで、最低限の知識があればほとんどの問題ができるようになっている。すなわち、得点源。難易度は、統計検定準一級の計算問題と同じくらい。

問題2

・例年通り確率漸化式の問題。

基本的には漸化式を立てて解いていくだけの問題だが、序盤の方で計算ミスして死んでしまった。また、途中に出てくる近似値を見落としてしまい、馬鹿正直に計算するなどして時間を食ってしまった。いずれにせよ、過去問と似たような問題で、難しくはないはず。

問題3

・例年通り確率分布関数に関する統計数理の問題。

順序統計量と、確率分布に対する逆変換に関する問題で、本試験の得点源。誘導に沿っていけば難しくないし、知識がなくても完答できる。統計検定一級と同じか、やや簡単。

 

② 対策

 

問題1

・序盤はセンター試験、残りは統計の問題集で関連するところのみをやる。

問題1を得点源にするには、確率解析の基礎が仕上がっている必要がある。特に、確率論の基礎(第一問に相当)は、センター試験数1Aの集合や必要十分条件に関する問題で基礎固めできる。残りの問題は各分野が満遍なく出題されるが、でる箇所はだいたい決まっている。すなわち、確率密度関数、信頼区間、検出力、回帰分析、ブラウン運動、時系列解析、乱数生成は必ず出るので、重点的に問題演習すれば良い。統計の問題集の該当する部分や、過去問をひたすらやる。ある程度やれば8割は切ることはないが、早く解く練習をしておこう。オススメの参考書を載せておく。

 ☆センター試験数学

センター試験過去問研究 数学?・A/?・B (2019年版センター赤本シリーズ)

センター試験過去問研究 数学?・A/?・B (2019年版センター赤本シリーズ)

 

 ☆統計検定準一級

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年]

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年]

 

問題2

・過去問メイン。

残念ながら、問題2に似た傾向の問題は、市販の参考書にはあまり載っていない。そのため、基本は過去問をとくことになるだろう(アクチュアリー会発行の教科書に載ってるかもしれないので、現在調査中)。強いて言うなら、統計検定1級統計応用の理工学分野の問題に近いが、あくまでも参考程度。

問題3

・統計検定1級で対策可能。

ほぼ統計検定1級(特に統計数理分野)の問題と同じ内容。ただし、統計検定の方がやや高度か。なので統計検定1級がほぼできるようになれば、問題3は完答できる。

 

③ 統計検定準一級、一級との対応

あくまで個人的な意見では、

合格難易度は 「アクチュアリー数学≒統計検定一級<統計検定準一級

計算力は 「統計検定準一級<統計検定一級<<アクチュアリー数学

論理力は 「統計検定準一級<<アクチュアリー数学<統計検定一級

知識力は 「アクチュアリー数学≒統計検定一級<<統計検定準一級

と言う感じ。発想力はどの資格もあまり必要としない。なので、やれば必ず成績は伸びるはず。効率的に受かりたいなら、まず統計検定1級(11月)に向けて勉強を進め、アクチュアリー問題1と3の基礎固めをする。一級に合格した後の数週間でアクチュアリーの過去問を解きまくり、12月の試験本番に向かう、と言うのがベスト。統計検定準一級(6月)を前もって受けておくと尚のこと良い。

一応このモデルケースを実行してみた私だが、統計検定準1級は約80h、1級(統計数理&統計応用)は約100h、アクチュアリー数学は約20hの勉強でそれぞれ合格することができた。勉強時間が少なくともアクチュアリー数学に合格したのは、統計検定の恩恵と言うことができよう。