ポワソン分布とχ2分布の関係
ポワソン分布と 分布の関係を解説する。
区間推定などの計算上では、ポワソン分布のような「離散分布」は実は扱いにくい。これは、そのままでは積分などの操作が行えないためである。逆に言えば、連続値の分布である 分布などの助けを借りれば、ポワソン分布に基づく標本の推定が実行できる可能性がある。
では、具体的にポワソン分布と 分布の関係を見ていこう。まず、それぞれの定義から。
・ポワソン分布
~ならば、 ()
・分布
~ならば、 ()
そして、先にポワソン分布と 分布の関係性は、
・・・(a)
で表される。すなわち、パラメータ の 分布と対応する。
以下、上式(a)を示そう。左辺は、
{(a)の左辺}=
と書ける。これに対し右辺を
{(a)の右辺}=
と表すことにする。
そこで、 を に対する帰納法で示す方針をとる。
の時は分布の積分が1になることから明らか。
以下、の時に を が成立していると仮定する。
分布に対する部分積分を用いれば、 の漸化式が得られる。
ここで、適宜 などの公式を用いた。この漸化式により、
を得る。従って、での成立が確かめられ、帰納的に(a)が成り立つことが示された。
また、(a)式の余事象を考えることで、 も求めることができる。