ChunPom’s diary

数学、物理、機械学習に関する話題。あと院試、資格、大学入試まで。

統計検定準一級合格への道筋

2018年上期の統計検定準一級、無事合格しました!傾向がガラリと変わってきているので、その対策を自分なりにまとめようと思います。

 

① 問題分析

機械学習分野の割合増加

統計検定準一級の本来の試験範囲は、機械学習関連はサポートベクターマシンやk-近傍法などに限られていた。しかし、今回の試験にはカーネル法の詳細をある程度知ってないと解けない記述問題が出題された。このように、本来試験範囲外のはずの機械学習内容が採用されつつある。

・ニッチな統計手法の設問

今回の問題には、過去出題実績のないバリマックス回転などが含まれ、ニッチな手法の設問が増えた。仮に誘導形式であれば問題ないのだが、知らないとできない知識問題がほとんどであるため、落とした人も多かっただろう。

 

② 対策

機械学習の基本事項はマスト

カーネル法、サポートベクター、ラッソ&リッジ回帰の正則化などについて、理論をしっかりと勉強しておく必要がある。準一級では、機械学習に関する計算問題は(おそらく)設問にできないため、暗記問題的に覚えて置いた方が良い。統計検定公認の教科書は全くあてにならないため、別途機械学習の教科書が必要。ただ、流石にニューラルネットやランダムフォレストは範囲外すぎるので出ないと判断。個人的には、カーネル主成分分析あたりが次出そうな希ガスる。

おススメの参考書として、機械学習全般の浅い理論は

フリーソフトではじめる機械学習入門(第2版):Python/Wekaで実践する理論とアルゴリズム

フリーソフトではじめる機械学習入門(第2版):Python/Wekaで実践する理論とアルゴリズム

 

 テストに出やすいカーネル法は、

カーネル多変量解析―非線形データ解析の新しい展開 (シリーズ確率と情報の科学)

カーネル多変量解析―非線形データ解析の新しい展開 (シリーズ確率と情報の科学)

 

 で勉強するといいだろう。

・まんべんなく手法を知っておく

因子分析や時系列解析など、「分野外でしらんわ!」的な設問に対しても、浅く広い対策が必要。従って、公認の教科書をできる限り隅から隅まで読破する必要がある。ただし公認の教科書に載ってない事項も多々出題されるため、せめて自分の得意分野については、別途専門書を買って詳しく勉強すべき。その上で、「落としてもいい問題は落とす」といった潔さが必要か。

公認の教科書は下記。

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学

日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学

  • 作者: 二宮嘉行,大西俊郎,小林景,椎名洋,笛田薫,田中研太郎,岡田謙介,大屋幸輔,廣瀬英雄,折笠秀樹,日本統計学会,竹村彰通,岩崎学
  • 出版社/メーカー: 東京図書
  • 発売日: 2013/04/08
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログ (5件) を見る
 

・高校のセンターの確率の問題を参考に

センターに出てきそうな確率の問題が毎回出てる。新出の問題でも慌てないように、センターで慣れておく。

センター試験過去問研究 数学?・A/?・B (2019年版センター赤本シリーズ)

センター試験過去問研究 数学?・A/?・B (2019年版センター赤本シリーズ)

 

・過去問演習

2、3年分とけば十分。一級の問題もできれば解く。足りないと思うのなら、国沢先生の確率統計演習(2)をやりこむと良い。

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年]

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年]

 
日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2014〜2015年]

日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2014〜2015年]

 

 

③ 一級との対応

一級(数理統計、統計応用)の過去問を見る限り、機械学習の出題の実績はない。一級は記述や計算が多いため、複雑な手法は出にくいからである。なので、個人的には準一級の方が、一級よりも断然(知識面で)難しいと思われる。こういう事情から、準一級は「機械学習の検定」のフロンティアとして機能していくことになると予想する(ただし、統計的処理とは乖離した深層学習や強化学習は包含することはないだろうが)。

 統計検定の範囲や定義を、そろそろ再考してほしいところ。

 

④ 試験当日について

・受験番号を問題用紙に記載

→あとあと受験番号を参照するため

・記述選択問題は、最後の小問をみて解けそうだと思えるものを選択すべし

→途中で力尽きるリスクの少ない問題を選択。

・計算以外の記述を落とさない

→計算以外の記述問題は、ステレオタイプなものが多いので死守。