ランダウアービュティカー公式によるオーム抵抗の導出
ランダウアービュティカー公式を、古典的な電子輸送に適用し、Ohm抵抗が導かれることを示す。
まず、ランダウアービュティカー公式は、透過確率 の散乱体を持つ、 個のチャネルを有する伝導体における伝導度を求める公式であり、
と書ける。
一方、Ohm抵抗では、導体の断面積を、長さを として、 が成り立つ。
ランダウアービュティカー公式に話を戻す。チャネルの数は、断面積に比例して大きくなると予想されるので、 と考えられる。
従って、透過確率が となることを示せば良い。
長さ の導体における透過確率を とおく。
長さ の導体における透過確率 を求めてみよう。
まず、反射なしで透過する確率は、
1回反射して透過する確率は、
n回反射して透過する確率は、
よって、
を得る。 とおくと、上式は
と書き換えられる。 とすれば、微分方程式として
を得るため、
が解となる。3式目では定数を取り直した。
以上より、伝導度は
と書ける。抵抗に戻すと、
となり、一項目が電極との接触抵抗、二項目が長さに比例し、面積に反比例するOhm抵抗を表している。