移入のある出生死亡モデルからの負の二項分布の導出
移入のある出生死亡モデルから、モデルの均衡を解くことで負の二項分布が導かれることを示す。
人口などの状態を整数 で表し、その増減に対する確率を以下で定義する。
ここで、 は正の定数とし、それぞれ死亡、出生、移入に関する定数である。以下 とおく。
現在の状態が である確率を とおくと、詳細釣り合い条件は、
であるから、均衡点における分布は
と書ける。ここで は規格化により求めることができ、
\begin{eqnarray*} P^{-1}(0)&=&\sum_{k=0}^{\infty}r^k\frac{\Gamma(k+c)}{k!}\\&=&\sum_{k=0}^{\infty}\frac{r^k}{k!}\int_{0}^{\infty}x^{k+c-1}e^{-x}dx\\&=&\int_{0}^{\infty}x^{c-1}e^{-x}\sum_{k=0}^{\infty}\frac{(rx)^k}{k!}dx\\&=&\int_{0}^{\infty}x^{c-1}e^{-(1-r)x}dx\\&=&\frac{\Gamma(c)}{(1-r)^{c}}.\end{eqnarray*}
よって、
を得る。この分布は、負の二項分布である(正確には、母数を整数から実数に拡張したもの)。
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より発展的な確率モデルは以下を参照されたい。